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Bhujodi weaver

CRAFTS

Bhujodi weaver

Kachchh, India

小さな村に織りの音が鳴り響く。
ブジ(Bhuj)の南東から約8kmにあるブジョディ(Bhujodi)は最も古く、この地域で最大の織匠の住む村として知られている。

この村で織りに従事する人々の多くは、約500年前にラジャスタン州西部から移住してきた。織匠の民 "ヴァンカー" (vankar community - かつてはMeghwal wankarとも呼ばれていた)という名で知られている。かれらは、周辺に住む民族との交流を通して布を織ってきた。特に遊牧の民 "ラバリ族" (Rabari community)とは密接な関係で結ばれてきたという。ラバリ族から羊毛を仕入れ、ショールや毛布、カーペットを織ると、そこへラバリの人々は美しい刺繍を施した。また、農業に従事する "アヒール族" (Ahir community)からは原種綿花のカラコットンを仕入れ、肩掛けや被り物用の生地を織り、日々の生活のための作物と交換した。

1960年代には安価な大量生産生地が流入したことにより、市場が衰退。それにともない、一部の織匠は地元以外の市場へとクライアントを求め進出していった。現在ではその功績もあり、ブジョディの織りは伝統的な織物のほか、多くのデザイナーへ生地を提供している。

長い準備期間がかかる織りの工程は、糸を紡ぎ、経糸(タテ糸)と緯糸(ヨコ糸)をつくるところから始まる。
羊毛・絹・綿などの原料を手紡ぎ/機械紡ぎにて糸にし、植物染色や化学染料にて染める。
ピッドルーム(Pid-loom)と呼ばれるこの地方で使われる織機は地面を掘った場所に設置され、半野外にて織られていくのも特徴的である。

このように糸を織り機にかけ、織っていく工程は果てしない。
その工程のなかで、織柄には神や動物など日々の生活に対する賛美と喜びが織り込まれ、繊細で複雑な美しい布が織られていく。

Source:KhamirBhujodi Shawl Weaving - Kutch, Gujarat , Prof. Bibhudutta Baral and Amulya S.

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1 糸を紡ぐ ウールは手紡ぎのところもあるが、Kala cotton は繊維が短く手紡ぎが難しいこともあり、 近隣にある紡績工房から糸を手配する。 2 糸を染める 植物染料(インディゴ、ラック、アカシア、柘榴、カテチューなど)や化学染料によって糸染めされる。 3 織の経糸(タテ糸)を整経する 経糸の準備をする。 4 綜絖 (そうこう)通し 日本では金属の綜絖 (そうこう)に糸を通していくが、インドの工房では綜絖 (そうこう)自体を糸で作りながら通していく。 5 筬(おさ)に通す 経糸を写真右手で持っている筬(おさ)に通す。写真手前のシャトルに緯糸(ヨコ糸)を巻いたボビンを設置、織るときは、左手の紐を引っ張ってシャトルを動かし織りすすめていく。 6 天日干し 洗いを掛け天日で干す。 7 織り機 pid-loomは半野外に設置される。 8 街並みと風景 手織りならではの生地耳のゆらぎ、そして所々にみられる糸飛び。完璧でない生地にこそ愛着がわく。出来上がった生地は洗われ、工房内で風に揺れながら強い日差しのもと乾いてゆく。その隣では牛は寝転がり日光浴、さらに子供たちが遊ぶ声が聞こえてくる。日本では失われつつある貴重な、時を忘れるような長閑な光景がいまもなお続いている。

Bhujodi weaver